その3 親の力(2) 子供に世の中を見せる

 

○ポイント

  • 自由研究には首を突っ込む
  • 子供を現場へ連れて行こう

 

○自由研究には首を突っ込む

 長男が本格的に受験勉強を始めたのが8月下旬であったが,親が一緒になって勉強する習慣はその前から始まっていた。

 夏休みの自由研究。

 長男は当初,本で調べたことを模造紙にまとめて,適当に提出しようと考えていたらしい。だが私はそれを許さなかった。

 自由研究とは,テーマを決めて,そのテーマに沿った形で実験の準備を行い,実験し,結果をまとめ,考察し,それを模造紙にアウトプットして発表するという,一連のプロセスである。

 二華中の特色のひとつに,サイエンティフィック・リサーチというものがある。直訳すれば科学研究である。二華中を目指す生徒が,自由研究をおろそかにしているようではとても合格はできないであろう。

 私は自由研究がいかに大切か,この自由研究を通して何を学び,何を身につけて欲しいかを長男に懇々と説いた。

 私の説得に納得したかどうかは不明だが,昔から磁石で遊ぶのが大好きだった長男は,テーマに「電磁石」を選んだ。

 私は材料の手配や実験方法のアドバイスなど,全面的に協力した。

 

○子供を現場へ連れて行こう

 早速,電磁石を見に行くことに。

 鉄くず回収業者に行って,巨大な電磁石を見学するのだ。

 家業が自動車整備工場だから,部品や鉄くずのスクラップがだんだん溜まっていく。それをトラックに積み込んで回収業者へ持っていく。

 長男に軍手を渡し,積み込み作業を手伝わせる。作業しながら,鉄くずがどのように集められ,どのようにリサイクルされるのかを説明する。

 鉄鉱石の形で掘り出された鉄は,精製されて製鉄となり,加工されて部品となる。部品としての役目を終えれば,回収されて再び溶かされ,別の部品として生まれ変わる。

 二華中が掲げる「地球環境」。それを守るためのリサイクル。ここがその最前線である。

 回収業者では,巨大な電磁石が荷台の鉄くずをくっつけて持ち上げる。くっつけるのも,離すのも自由自在。大量の鉄くずを軽々と運ぶその様は大迫力。親子で「オーっと歓声を上げた。

 電磁石の威力を目の当たりにする。
 現場を通して社会を見せる。
 世の中を見せる。

 これぞまさにフィールドワーク。

 このようにして,机上ではなく,現場に足を運び,自分の目で見て,自分の手を動かして得られた知識は,本物の知識だと思う。

 二華中を受験する/しないに関わらず,この経験は長男の一生の財産になるだろう。

 ちなみに・・・

 鉄くずを売ったお金で,好きな本を買ったり,アイスを食べたりと,長男にとっては思わぬご褒美となったのだが,目先の利益に喜ぶあたり,やはりまだ子供である。

 


ここがリサイクルの最先端。
荷台の鉄くずを強力な電磁石で回収。
ものすごい迫力に圧倒される。

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